• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

視覚系における統合問題と神経細胞群の同期的発火に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10871014
研究機関東京大学

研究代表者

立花 政夫  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60132734)

キーワード視覚系 / 網膜 / 統合問題 / 神経節細胞 / 同期的発火 / 周期的発火 / 視蓋 / 抑制性伝達物質
研究概要

視覚系では、各種の視覚属性に対応した情報処理が異なるモジュールで行われている。しかし、別々に処理された情報がどのように統合されて整合性のある知覚が成立するのかという問題は未解決のままである。視覚系の神経細胞群でしばしば同期的周期発火が観察されており、統合問題との関連が示唆されている。本研究では、本年度、カエルの網膜神経節細胞で見いだされたスパイクの同期的周期発火の発生機構を検討した。眼球から剥離した網膜に平面型マルチ電極を適用して神経節細胞群から光応答を記録し、相関解析を行った。その結果、約30Hzの周期的発火を伴う同期的発火が見いだされた。いずれの発火も、細胞間の距離が数mm離れてもその強度はあまり変化しなかった。しかし、GABA受容体の阻害剤を投与すると、周期的発火は完全に消失し、同期的発火の強度は細胞間の距離と共に急速に減衰した。周期的発火を伴わない弱い同期的発火は、近接した神経節細胞の受容野を局所的に光刺激することによっても引き起こすことができた。以上の結果から、周期的発火を引き起こす神経機構はGABA受容体の活性化を伴う広範囲なものであり、一方、同期的発火を引き起こす神経機構は局所的なものであることが示唆された。周期的発火の位相を合わせたり、同期的発火を生成するのに、神経節細胞への興奮性共通入力が重要な役割を果たしていると推測される。また、麻酔したカエルの視蓋に金属電極を刺入し、網膜神経節細胞の軸索から光応答を記録した。相関解析を行った結果、剥離網膜と同様に、位相のあった周期発火を見いだすことができた。今後、この様な信号が視蓋の神経細胞によってどの様に処理され、行動と対応するのかを検討していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Ishikane: "Facilitation of synchronized spike discharges by oscillations in frog retinal ganglion cells." Neuroscience Research. Sup22. S177-S177 (1998)

  • [文献書誌] 石金 浩史: "カエル網膜神経節細胞における同期的発火と周期的発火の神経機構" 日本心理学会第62回大会発表論文集. 62. 527-527 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi