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1998 年度 実績報告書

MUDの利用が対人不安傾向に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10871024
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

春日 喬  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (40017140)

研究分担者 坂元 章  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (00205759)
キーワードMUD / コンピュータ・ネットワーク / コンピュータ / インターネット / メディア / シャイネス / 対人不安 / 社会的不適応
研究概要

MUDとは、コンピュータ・ネットワークの中に擬似的な生活空間が設けられており、複数のユーザーがネットを通じてそこに入り込み、相互交流を行なうものである。
以前から、MUD使用が人々の社会的適応に悪影響を及ぼすことが懸念されてきた。しかし、もともと現実の人間関係にあまり適応していない人、例えば、シャイネス傾向者にとっては、MUDはむしろ、その対人不安傾向を低めるものとして活用可能であるかもしれない。例えば、MUDは、シャイネス傾向者にとっては、希薄なものとはいえ、それでも人間関係を保つことができる貴重な場である。そこでの相互作用は、現実における対人不安傾向を低めるものになるかもしれない。少なくとも、いきなり現実世界の中で他者と相互作用させるよりも無理がないように見える。
そこで、本研究では、シャイネス傾向者がMUDの中で社交的に行動することによって、現実場面での対人不安傾向が低くなるかどうかを検討した。具体的には、予備調査によって、シャイネス傾向にあると判定された39名の女子大学生を、使用群(20名)と統制群(19名)に分けた。使用群は、MUDの中で「社交的な人物を演じる」ように教示され、30分間、2名のサクラと会話をした。MUDは、富士通のHabitatIIである。一方、統制群の被験者は、30分間、中立的な映像を視聴した。これらのメディア接触の後に、待合室テクニックを使って、被験者の対人的積極性を調べた。被験者は、見ず知らずの人物(サクラ)と、2人きりにされ、そのときに、その人物に対して、被験者がどれだけ積極的に行動したか(話しかけたか、など)を調べた。
この結果、予測されたように、使用群のほうが、統制群よりも、他者に対して積極的に行動し、対人不安傾向が小さいことが示された。今後は、MUDの効果の安定性や持続性を検討し、MUD使用の実践的な有効性を明らかにすることが重要である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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