研究目的:本研究は学習動機と関連する、無関心、指示待ち人間と言われる現代青少年の脱モティベーションの分析が目的である。研究初(平成10)年度は、(1)脱モディベーションの構造を明らかにすること、(2)脱モティベーションと関係する個人特性と状況要因との関係を分析することを目的とした。 研究2年目に当たる平成11年度は、(1)脱意欲の発達過程を分析すること、(2)尺度の再検査を行い、信頼性を分析することを目的とした。そこで、新たに、中学生用の調査票を作成した上で、中学生、高校生、大学生を対象に検査を実施した。 研究経過:再検査には時間間隔を開ける必要があり、現時点で全体の分析が終了していないので、分析対象人数なども確定していない。そこで、本報告書では分析過程の一部分のみについて報告する。 研究方法:昨年度の分析結果(杉山1999日本性格心理学会第8回大会論文集)に基づいて、仮に、各因子、及び因子の合成得点から信頼性を算出した。分析対象は大学生245人(男138人、女106人)である。 研究結果:その結果、第1因子(学習性自己否定感)は.773、第2因子(他者との比較による効力感)は.798、第3因子(目標欠如)は.403、第4因子(プラス体験)は.754、第5因子(社会的チャンスの存在)は.468、第6因子(自律的向上心)は.631、第7因子(外的障害の存在)は.602、7つの因子合計はr=.590を得た。今後分析方法の検討を含めて、結論を出す予定である。
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