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1999 年度 実績報告書

discourse completion testの有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10871072
研究機関名古屋女子大学短期大学部

研究代表者

服部 幹雄  名古屋女子大学短期大学部, 助教授 (10259343)

キーワード会話分析 / データ収集 / 語用論 / 第2言語習得 / discourse completion test
研究概要

本年度は、昨年度に収集した、自然な会話から得られたデータとdiscourse completion test(以下DCT)から得られたデータの結果を、発話の間接性および長さ、談話辞やポーズの使用、言語的ストラテジーの種類や頻度の観点から比較した。その結果、次のような知見を得た。
英語非母語話者の場合は、英語母語話者と異なり、DCTデータの方が会話データよりも長く、手の込んだ返答になる傾向が見られた。さらに、英語非母語話者は、会話データよりもDCTデータにおいて返答が間接的になる傾向が観察されたが、英語母語話者においては逆の傾向が見られたことが注目される。実際の会話において、英語非母語話者の返答が短く、直接的なものになる理由の1つとして考えられるのは、英語非母語話者は、迅速な返答を行うことが要求される対面インタラクションに慣れていないということが考えられる。DCTの回答に当たっては、時間が十分与えられるため、より複雑な統語構造の文を生み出すことが可能となる。一方、英語母語話者は、ストラテジーとして談話辞やポーズ、認定や容認などの具現形を頻繁に使用するため、その返答は長く、複雑なものになっている。
以上の考察から、DCTから得られたデータは、被験者が現実の会話で実際に言うことを忠実に示しているとは言いがたく、DCTのみで被験者の語用論的能力を測定することの危険性を示す結果となった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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