研究課題/領域番号 |
10871073
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
堀井 清之 白百合女子大学, 文学部, 教授 (40129896)
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研究分担者 |
斎藤 兆古 法政大学, 工学部, 教授 (80097146)
宮沢 賢治 白百合女子大学, 文学部, 教授 (70182011)
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キーワード | 文体構造解析 / 可視化 / コンピュータ / 線形空間論 / ウェーブレット変換 |
研究概要 |
本年度の研究実績としては、「夏目文学作品は円環的に物語が進む」との定説を、数学的手法である線形空間論処理が裏付けたことにある。 夏目文学を主なる解析対象にして、本研究の目的であるコンピュータの使用を前提とし数学的手法である線形空間論を用いて、客観的構造解析の可能性と、その文体構造の四次元時空間への可視化を検討した。具体的には、初期から晩年に至る時系列上での夏目作品の文体構造変化を解析した。「虞美人草」は現代型人物と古典型人物が」交互に登場し、その頻出度合いは中間の章に向かって螺旋構造を描きながら振動的に増加し、その後平均的頻出度となることが判明した。他の多くの作品も螺旋状の文体構造を示した。また、比較の視点から解析した宮沢賢治作品の「銀河鉄道の夜」では登場人物にみる両極性の間を揺れ動く波動構造が明らかになった。
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