研究概要 |
Gを0次元Gorenstien環とする。Gの理蔵次元をnとし、socle次元をsとする。MacaulayのInverse Systemにおけるの生成元をFとする。また、aをGの一般元とする。このとき、a^(n-2)が誘導するG_1からG_{n-2}への線形写像が、極大階数をとることと、FのHessianが恒等的に0になることが同値であることが証明される。さらに、P.GordanとM.Noetherによる論文、Ueber die Algebraishen Formen,deren Hesse'sche determinante identisch verschwindet,Math.Ann.Bd 10(1876)による結果によれば、4変数以下の斉次多項式では、Hessianが恒等的に0になるなることと、変数の一つが消去されることと同値である。したがって、埋蔵次元4以下の次数付きGorenstein環においては、a^(n-2)が誘導するG_1からG_{n-1}への線形写像は、必ず全単射である。 これは、「0次元完全交差環に、強Lefschetz条件が成立するか」、という本研究の課題に対する部分的にな解決を与えるものである。さらに、強Lefschetz条件が成立しない、Gorenstein環の例を大量に構成することができる。ただし、そのなかに、完全交差環が現れないことの保証は、まだ出来ていない。
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