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1998 年度 実績報告書

スピングラスの確率論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10874017
研究機関京都大学

研究代表者

日野 正訓  京都大学, 情報学研究科, 講師 (40303888)

研究分担者 南 和彦  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教授 (40271530)
吉田 伸生  京都大学, 理学研究科, 講師 (40240303)
村井 浄信  岡山大学, 文化科学研究科, 助手 (00294447)
キーワードスピングラス / 無限粒子系 / パーコレーション / 相転移 / イジング・モデル / 定常分布 / 確率モデル
研究概要

セミナーやシンポジウムを通じて、Newman達のスピングラスに関する近年の仕事の理解をしてきたが、スピングラス自体に関しては今年度は新たな成果を得ることがなかった。以下ではセミナーを通じて得られたこのテーマに深く関連した問題に関する実績の概要を述べる。.
1。 京都大学におけるセミナーを通じて吉田は、ポテンシャルが非有界の場合のスピン系のダイナミックスについて、ポテンシャルの無限遠方での増大度について緩い条件の下で混合条件と対数ソボレフ不等式が同値であることを示し、現在論文を執筆中である。吉田はさらに最近、上述の緩い条件においてこれらの条件とDobrushinの構成的判定条件の同値性示すことにも成功している。なお、典型的なスピン系の非有界モデルであるφ^4モデルを含むある範疇においては、高温相での対数ソボレフ不等式がすでに吉田によって示されており、上記の同値性の証明の一つの動機づけになっている。これらの結果のスピングラスを典型例とするランダムなポテンシャルへの拡張は、将来への一つの課題である。
2。 同じセミナーを通じて日野は、対称とは限らない確率過程の定常分布の存在に関する十分条件を得、現在論文を雑誌に投稿中である。この仕事は無限次元の確率微分方程式の解についての定常分布の存在などに応用されており、ランダムなケースを含む無限粒子系への応用を考察している。
3。 村井は樋口氏(神戸大)との議論を通じて、ρ-パーコレーションの極限における相転移点と普通のパーコレーションの相転移点が一般に一致するか?というMenshikovによって提唱された問題を否定的に解決し、その反例を論文にまとめ現在雑誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K,Minami: "Experimental and theoretical approach to finite size effects in an S=1/2 antiferromagnetic Heizenberg open chain" Phys.Rev.Ser B. 57. 8285-8289 (1998)

  • [文献書誌] M.Hino: "Convergence of non-symmetric forms" Journal of Math.Kyoto University. 35. 717-734 (1998)

  • [文献書誌] M.Hino: "Existence of invariant measures for diffusion processes on a Wiener space" Osaka Journal of Math.35. 717-734 (1998)

  • [文献書誌] K.Minami: "The susceptibility in arbitrary directions and the specific heat in geneval Ising-type chains of unifrom,periodic and random structures." Journal of the Physical Society of Japan. 67-7. 2255-2269 (1998)

  • [文献書誌] N.Yoshida: "Finite volume Glauber olynamics in a small magnetic field." Journal of Stat.Physics. 90. 1015-1035 (1998)

  • [文献書誌] K.Minami: "Magnetic properties of a guartum ferrimagnet:Nicu(pba)(H_2O)32020" Journal of the Physical Society of Japan. 67-7. 2209-2211 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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