• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

スピングラスの確立論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10874017
研究機関京都大学

研究代表者

日野 正訓  京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (40303888)

研究分担者 南 和彦  名古屋大学, 大学院・理科学研究科, 助教授 (40271530)
吉田 伸生  京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40240303)
熊谷 隆  京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (90234509)
村井 浄信  岡山大学, 大学院・文化科学研究科, 助手 (00294447)
キーワードスピングラス / 無限粒子系 / パーコレーション / 相転移 / イジング・モデル / wetting transition / 確立モデル
研究概要

本年度もセミナーや研究会を通じて、スピン系等の数理モデルの性質を中心に最新のプレプリントの紹介、各自の研究の報告・議論を行ったが、スピングラスのモデル自体について大きな進展を得ることは残念ながら出来なかった。以下では、セミナー等で得られた、このテーマに関連した問題に関する実績概要を述べる。
1.吉田は、wetting tansitionの問題に興味を持ち、E.BolthausenやP.Caputoらのプレプリントを読むとともに具体的な計算を行った。Wetting transitionの問題とは、固形物の上に液体がありpinningとentropy repulsionという対立する力がかかるとき、そのinterfaceの局在(dry phase)・非局在(wet phase)がどのようなときに起こるかという問題である。吉田は、非負に条件付けられた一次元のランダムウォークにpinningとしてdiluted local timeを与えたとき、pinningの係数が小さければ非局在、大きければ局在が起こることを示した。
2.熊谷は、フラクタルのような複雑な形の不純物が空間内に存在するときに、空間からこの物質内への熱伝導はどのようになるかという問題を扱い、実解析で用いられるBesov空間の理論を援用することによりある条件のもとでこのような熱伝導を表す拡散過程(物質内ではその物質の拡散をし、外では空間の拡散に従うようなもの)が構成できることを示した。この結果は、最近雑誌に掲載された。
3.村井は篠田氏(奈良女)との議論を通じて、ある範疇の自己相似なグラフ上ではρ-パーコレーションのρ→1における相転移点と普通のパーコレーションの相転移点が一致することを示し、現在論文を執筆中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Minami: "Magnetization process of the s=1/2 and 1 ferrimagnetic chain and dimer"J. Phys,Soc. Japan. 68-7. 2214-2217 (1999)

  • [文献書誌] N. Yoshida: "The log-sobder inequality for weakly coupled lattice fields"Probab. Theory and Relat. Fields. 115. 1-40 (1999)

  • [文献書誌] N. Yoshida: "Application of log-Sobder inequality to the stochastic dynamics of unbounded spin systems on the lattice"J. Funct. Analy.. (発表予定).

  • [文献書誌] T. Kumagai: "Braunian motion penetrating fractals -An application of the trace theorem of Besov spaces-"J. Funct. Analy.. 170-1. 69-92 (2000)

  • [文献書誌] T. Kumagai: "Laws of the iterated logarithm for some symmetric diffusion processes"Osaka Journal of Math.. (発表予定).

  • [文献書誌] T. Kumagai: "Stochastic processes on fractals and related topics"Translation of "Sugaku", Amer. Math. Soc.. (発表予定).

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi