自己吸引的ランダムウォークの再帰性についての研究を行った。二次元のモデルの中で最も吸引性の弱いタイプのonce reinforced random walkのシミュレーションを行った。一時限の理論的結果では通常のランダムウォークよりも再帰性が強いのだが、二次元のシミュレーションでは大きな差異は見つけることが出来なかった。 一方、一次元のモγルでDavisによる一般的な枠組の中で、再帰性について調べたとき、研究協力者である大学院生の竹島が初期重みの逆数の和の収束が非再帰性の十分条件になることを示した。 この条件は後に付け加えるreinforcementの強さに関わらない条件と言うことが出来る。逆にある種の条件の下ではこの初期重みの逆数の和の発散が再帰性の十分条件となるものと見られるが、初期重みの逆数の和自身は発散するが、自乗の和が収束して非再帰的になるようなモデルが知られており、精密な解析が必要なように思われる。この点については未解決のまま残った。
|