1.数学的話題、特に、実解析理論・不等式の処理の取扱いを、既存の記号処理・数式処理の数学ソフトを利用して実行し、数学知識の援用とソフト使用の相性の検討を行った。選んだ話題は、数学ソフトとの相性の悪さを予想しての上である。発見された問題点は a.記号処理システムの実装の過程で生じる問題 b.計算時間・記憶容量による計算爆発 c.基礎理論の不備 d.計算機上の自動推論と数学者の関与度合の評価 e.数学内容の了解 である。a.b.は技術的要素が勝っており、c.d.e.が今後の本質的課題であると判断する。 2.前記c.に関連して、複素補間空間論、計算解析学における計算可能性及びウェーブレットとを結び付けた知見が得られた(発表準備中)。数学的には標準的な手法が、計算可能性の観点からは排除されなければならないので、既存の数学定理の計算可能性の立場からの確認は自明ではない。
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