研究課題/領域番号 |
10874037
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
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研究分担者 |
神本 丈 熊本大学, 自然科学研究科, 助手 (90301374)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
木村 弘信 熊本大学, 理学部, 教授 (40161575)
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キーワード | 超超越関数 / 線形差分方程式(系) / 大域的理論 / ガンマ関数の拡張 / プサイ関数の積分 / 接続関係式 / 漸近展開 / 多変数差(微)分方程式系 |
研究概要 |
本研究課題の主目的は差分方程式のみで定義される特殊関数(超超越関数)の発見である。即ち、ガンマ関数、プサイ関数以外に差分方程式をみたし(しかし、決して代数的微分方程式の解としては与えられない)、また大域的性質が完全に解明される有用な関数を見い出すことである。研究の端緒として、ガンマ(プサイ)関数の拡張とは何か、それらは如何なる漸近挙動で定義されるものなのかを考察してきが、本年度の研究において、その一端が解明できた。それは、線形差分方程式y(z+1)=Ap(z)y(z)(Δy(z)=ap(z))において、z→∞におけるAp(z)の増大度を適当に規定して得られる解をGp(z)=exp(Ψp(z))(p∈N)と定義すると、それらの関数は正にガンマ関数Γ(z)(Ψ(z))からの一連の積分操作によって得られることが判明した。勿論、Gp(z)は超超越的関数であり、大域的挙動を示す接続関係式、即ち左右半平面における正則解間の接続係数も、Γ(z)に対する接続関係式の積分を通して与えられるのである。この研究は、更に一般の差分方程式系に対する解の構造への解明へと引き続き、目下、公表論文としてまとめつつある。 さて、本研究期間中に、研究代表者のこれまでの研究である微分方程式系に対する大域的理論をまとめた本「微分方程式と数式処理」(森北)が出版され、また「Global Analysis in Linear Differential Eguations」(Kulwer Academic Publishers)も近々出版される。また、各分担者も多変数超幾何微分方程式の研究分野で成果を挙げ、特に、解の差分的構造の研究にも従事してきた。
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