単結晶作成法の異なるフラックス法とチョコラルスキー法を組み合せる事により、高い蒸気圧を持つ化合物やインコングルエント化合物等、これまで得ることの出来なかった純良大型単結晶を作成するための方法の開発を行うことを目的とし、初年度は(1)既存装置の改良、(2)希土類金属間化合物の単結晶作成のためのフラックスおよび坩堝の選定を行なった。 (1) 既存装置の改良 発熱部および引き上げ部の改良を行なった。発熱部にはカーボンヒーターを用い約1800℃まで温度が上がるようにした。引き上げ部はサーボモーターを用い0.1〜10mm/hの範囲で引き上げられるように手直しした。 (2) フラックスおよび坩堝の決定 CeGa、CeFe_2およびCe_2Fe_<17>化合物の単結晶作成に成功し、単純なフラックス法による良質大型の単結晶が得られる最的条件を決定することが可能になった。坩堝に関してはCeGaにおいてTa坩堝が、CeFe_2およびCe_2Fe_<17>に対しては、Al_2O_3坩堝が最も適していることを明らかにした。 CeGaについては、これまでT_N=7Kの反強磁性体として報告されていたが、本研究により、T_N=6Kの反強磁性体であることを明らかにした。このT_Nの違いは、試料作成方法の違いすなわち試料に含まれる不純物の違いによると考えられる。結果は学術誌に発表した。 今後、上述の3つの化合物の大型単結晶作成をチョコラルスキー法との組み合わせで試みる。更に、他の化合物についても最適作成条件の決定を試みる。
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