研究概要 |
1.森林総研の田中浩氏から提供していただいた小川森林保護区の航空写真による実測データに対して,我々が開発したイジングモデルによる解析方法を適用した.その結果,1976年,1981年,1986年の林冠ギャップのサイズ分布は,我々が決定したパラメータを持つイジングモデルのギブス分布でほぼ完全に記述できることが分かった.しかし,1991年のデータは,この方法ではパラメータを決定できなかった. 2.パラメータを決定する新しい方法として,熱平衡状態で成立する相関等式を用いる方法を考案した.実際にこの方法を小川森林保護区の実測データの解析に応用すると,上記のモンテカルロ法による方法ではパラメータを決定できなかった1991年のデータに対しても,パラメータを決定することが出来た. 3.森林動態に対する別の数理モデルとして,ある種の森林火災のパーコレーションモデルを提案し,計算機シミュレーションを行なった.また,最近VespignaniとZapperiが提案している自己組織化臨界現象に対する平均場理論を拡張して,我々の森林火災のモデルを解析してみた.
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