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1998 年度 実績報告書

太陽系星雲における鉱物の凝縮に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10874075
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 裕子 (永原 裕子)  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80172550)

キーワード凝縮 / 太陽系星雲 / クヌッセンセル / 凝縮速度 / フォルステライト
研究概要

本研究は,初期太陽系系星雲におけるガスから鉱物の凝縮に関する実験方法の確立をめざしている.従来の凝縮実験は安定したガス発生源をつくることが困難であったことに着目し,クヌッセンセルをガス供給源として用いることを試みた.クヌッセンセルは容器内に固相と共存する平衡なガスが,微少なオリフィスを通って流出するため,固相が共存している限り一定の速度でガスを流出させることができる.東京大学理学部地質学教室内に既存の真空実験装置を用い,グラファイトとモリブデン製のクヌッセンセルにフォルステライト粉末を封入し,上部にフォルステライト結晶を定方位に切り出したものを基盤として設置し,凝縮実験をおこなった.結果を走査型電子顕微鏡により観察したところ,基盤のフォルステライト上に新たなフォルステライトの凝縮が観察され,この方法により凝縮実験を進めることが可能であることがわかった.また,凝縮温度により凝縮物の組成に変化があり,フォルステライト以外の物質の凝縮もみられることがわかった.しかし凝縮物の厚さは薄く,厚さの変化による凝縮速度の推定は困難であり,また重量変化も微量であるため凝縮速度推定は困難であることがわかった.さらに,凝縮基盤の面積の推定,凝縮凝部分の温度勾配が急であるため凝縮温度の推定に困難があることが判明した.以上の結果をふまえ.凝縮は一定位置でのみおこない,温度の連続的変化をともなわないものとするように装置を改善した.凝縮速度推定には重量法の改善を試みている.さらに凝縮部分のガス流量を一定とするため.セルオリフィスから流出したガスを再度大型容器にトラップし,上部の別のオリフィスから流出させるように容器の作製をおこなっている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] E.Young: "Non-Rayleigh oxygen fractionation by mineral evaporation" Geochim.Cosmochim.Acta. 62,18. 3109-3116 (1998)

  • [文献書誌] 永原 裕子: "原始太陽系星雲における蒸発過程と化学的および同位体分別" 鉱物学雑誌. 27,3. 147-156 (1998)

  • [文献書誌] H.Nagahara.: "Mechanism of forsterite evaporation as inferred from surface microstructures" Proc.Japan Academy. 75,Ser.B. 29-34 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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