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1998 年度 実績報告書

キャビティ内自然放出制御による反応中間体生成過程の制御の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10874082
研究機関東北大学

研究代表者

福村 裕史  東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50208980)

キーワード自然放出 / 共振器 / 回折格子 / 励起状態 / 有機分子
研究概要

本年度においては、自然放出を促す輻射場を制御するための空間モード選択法について、二つの手法により検討を行った。
ひとつは従来行ってきたレーザーによる有機分子の注入法を応用して、高分子フィルム表面に回折格子状のパターンを形成し、これを光の波長よりも大きな共振器内に適当な角度で設置することにより、波長に応じた特定方向に射出される光のみを選択する技法である。これを実現するためには、光を放出する分子系が可視領域の回折格子を作れるぐらいの空間スケール(サブマイクロメートル)で作成可能でなければならない。このため、レーザー注入ビームを二つに分けてから一定の角度で交わらせて干渉させることにより、蛍光を発する有機分子を縞状に高分子フィルム上に注入固定し、回折格子の作成に成功した。
もうひとつの手法として、光の波長オーダーの極短キャビティを用い、空間モードを制御するための光学系の設計に着手し、ピエゾドライバーと全反射プリズムを用いたキャビティ制御と検出光学系の試作に取り掛かった。キャビティ長は10ナノメートルの精度で制御可能であり、キャビティ内の励起状態は光ガイド状形態を形成する2枚の凸面鏡内を伝播するプローブ光を用いる光学系を組み立てている。この光学系が機能しない場合には、二枚のサファイア製全反射プリズムをキャビティ形成鏡とし、近接場光をプローブとする光学系で代替する。今後、これらの光学系を用いてピコ秒ポンプープローブ過渡吸収測定を行い、キャビティ内の有機分子の励起状態ダイナミクスと空間モードとの関連について調べる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Fukumura: "Laser implantation of photochromic molecules into polymer films : a new approach towards molecular device fabrication" Applied Surface Science. 127-129. 761-766 (1998)

  • [文献書誌] K.Saitow: "Effect of hydrogen bonding on laser-induced transfer of 1-pyrenebutyric acid in solid polymers" Chem.Phys.Letters. 291. 433-437 (1998)

  • [文献書誌] D.M.Karrakis: "Laser induced molecular transfer using ablation of a triazeno-polymer" Applied Surface Science. 127-129. 781-786 (1998)

  • [文献書誌] G.Gery: "Laser-induced molecular mixing of electron donor and acceptor in poly(ethyl methacrylate)" Chem.Communication. 7. 811-812 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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