本研究を実施し、以下の結果を得ている。 (1) マイクロ二相シースフローセルの作製 単一蛍光分子計測に利用可能な、二相シースフローセル法の検討を行った。すなわち、有機相を内側、水相を外側に流す二柑シースフローセル法を開発する上での諸条件を検討した。内側溶液を、外側の流れの中に連続的に流出させるための、先端直径30μmのガラスキャピラリーを、炭酸ガスレーザーを用いて作製した。そのキャピラリーを250μmx250μmのガラス製フローセルに挿入し、内液と外液を同じ速度で流すことに成功した。有機相と水相が安定な界面を形成するには、流速を30cm/s程度に上げる必要があることが分かった。 (2) マイクロ二相シースフロー顕微蛍光測定装置の作製 二相シースフローセルを、レーザーを励起光源とする蛍光顕微鏡にセットし、フローの状態で蛍光を測定するための測定装置を作成した。本装置を用い、単一分子の吸着系への適用性を検討した。
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