研究課題/領域番号 |
10874116
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊沢 喜八郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50271599)
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研究分担者 |
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50235892)
浅野 透 (中静 透) 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (00281105)
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キーワード | 葉の寿命 / 葉の回転速度 / 葉寿命の理論 / 葉のコスト / 支持器官のコスト / 長枝 / 短枝 / 葉のディスプレイ |
研究概要 |
森林における葉の回転速度に関連する要因として、特に葉を支持する器官の役割に着目して、見るべき成果を得た。個葉の寿命は葉の光合成速度、光合成速度の時間変化および葉のコストによって決定されることが理論的に明らかになっている。コストの項には葉のみならず、葉を支持する器官すなわち、枝、幹、根などのコストも導入する必要があると考えて理論を拡張した。拡張された理論によれば、常緑性、落葉性の高木、低木、草本、水草の葉寿命の違いや、樹木の成長にともなう葉寿命の変化などをうまく説明できた。葉の支持器官として重要な枝は、新しく空間を獲得するという役割と、葉を効率的に保持し、光を獲得するというディスプレイの役割を担っている。前者はいわゆる長枝であり、後者は短枝である。シラカンバ、ミズメなど長短枝の分化の明瞭な樹種ではこのような役割分化は明らかである。しかし明瞭な長短枝をもたない樹種であっても、単位枝長あたり葉面積を枝長に対して分析すると、ブナ、ミズナラ、イタヤカエデなどの多くの樹種では2つの折れ曲がった直接が得られ、ディスプレイに特化した枝と空間獲得に特化した枝の2型をもつことが明らかになった。またクサギ、アカメガシワなど、開地に進入するパイオニア型の樹種ではこのような枝の2型をもたないことが明らかになった。後者の樹種では葉の寿命が短く、わずかな葉しか展開しなかった枝は生育期途中で脱落することが明らかとなった。
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