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1999 年度 実績報告書

ウニ精子鞭毛ダイニン分子の活性制御における細胞骨格の役割

研究課題

研究課題/領域番号 10874127
研究機関東京大学

研究代表者

真行寺 千佳子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80125997)

キーワード鞭毛運動 / ダイニン / 中心小管 / 滑り運動 / ウニ精子
研究概要

本研究では,鞭毛運動において微小管や中心小管などの細胞骨格の状態変化がダイニン分子の活性の制御に重要であるのではないかという可能性を証明することを目指した.このためには,制御機構を維持した状態で滑り活性を測定できる系が必要であるので,まず新しい測定系を考案し,細胞骨格による制御の実態を解析する実験を行った.具体的には,ダイニン分子によって起こされる微小管の滑り運動の方向性と速度を指標にして,これらが,微小管の状態変化や中心小管の存在などによりどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目指した.昨年度までに中心小管の存在により,滑り速度が変化することを発見したが,今年度はさらに,中心小管による制御がカルシウムの反応性の制御にも関わることを明らかにした.即ち,カルシウムによる滑り速度の減少は,軸糸内の一部のダイニン活性が中心小管を経由して抑制されることによる,ことを明らかにした.さらに,軸糸断片をエラスターゼ処理した後にATPにより誘導される滑り速度が,まっすぐな状態の軸糸断片と屈曲を与えた状態の断片とで異なるかについて解析した.その結果,屈曲状態は,滑りのパターンを変えることが明らかとなった.速度も変化している可能性があるが,これについては定量的解析を進行中である.以上のように,本研究の結果,ダブレット微小管および中心小管の状態の変化がダイニン分子の滑り活性を直接制御していることが初めて示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroko Bannai: "Calcium regulation of microtubule sliding in reactivated sea urchin sperm flagella"J. Cell Sci.. 113. 831-839 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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