研究概要 |
本研究で得られた新たな知見および成果 1、 シリコン基板上に4mmx100μm,間隔100μm,20本の白金(Pt)ストライプをマスク蒸着で形成した。その基板表面に白色X線を低角(0.1deg以下)で入射し表面で分散した表面伝搬波(異常散乱反射、Yoneda wing)を半導体X線検出器でエネルギー分光した。基板(Si)とPtからのピークが得られ、その表面密度が計測されることを確認した。 2、 表面伝搬波は全反射から屈折への遷移領域で観測される進行波であるから極表面の電子密度が計測されると予想される。その確認実験として水素終端化シリコン基板の紫外線照射下での酸化過程の表面伝搬波観測が行われ極表面の電子密度の時間変化が測定されて予測が正しいことが証明された。 3、 銅蒸着薄膜の紫外線照射下での、および酸化雰囲気下での酸化過程のその場観測を応用実験として行い酸化過程で極表面にシーリング層の存在が確認され極表面密度の動的測定ができる新しい評価法への発展が期待できる。 4、 化合物半導体、砒化ガリウム(GaAs(111))ウェハの吸収端を横切るX線分散による表面伝搬波測定で原子散乱因子の異常分散項の直接測定の可能性が示唆され,学問上および応用上興味ある知見が得られた。
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