研究課題/領域番号 |
10875038
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
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研究分担者 |
佐藤 岳彦 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10302225)
渡辺 隆行 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (40191770)
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キーワード | プラズマ流 / 化学反応 / 荷電粒子 / 分解 / 機能性 / 環境汚染物質 / 多成分 / 制御 |
研究概要 |
本研究では、電離や解離等の化学反応を伴う反応性プラズマ流の機能性を熱流動場や電磁場と関連づけて制御することにより、地球環境汚染物質の分解や浄化のための基盤技術を確立するために、以下の成果を得た。 1.反応速度係数が全く異なる電離と解離反応が共存するアルゴン-窒素非平衡高周波誘導プラズマに関して、7種の化学種の生成・消滅を考慮した多成分モデルによる濃度場および熱流動場解析のための基礎式を新たに提示した。数値シミュレーションにより、窒素原子、窒素原子イオン、窒素分子イオン等の反応化学種の分布は、温度分布に対応するばかりでなく、再循環領域の存在の有無、あるいは、窒素を注入する位置に非常に影響を受けることが明らかになった。 2.高周波誘導非平衡アルゴンプラズマに二次ガスとしてヘリウムを注入した場合、注入位置や注入ガイド長さによるヘリウム濃度分布とプラズマ面積およびプラズマ温度分布との相関を実験的に明らかにした。 3.非平衡アルゴンプラズマジェット二次ガスとしてヘリウムと反応性窒素を注入した場合、それらの濃度分布と熱流体力学特性およびプラズマパラメータとの相関を明らかにし、特に化学反応過程の影響も検討した。 4.溶融灰から高周波誘導プラズマ処理により蒸発・分解と凝縮プロセスより、鉛や亜鉛を回収する技術を確立した。 以上、1〜4より環境汚染物質を分解・浄化するには、温度場に強く依存する化学反応を精密に制御することが重要であることを指摘した。
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