研究概要 |
本研究の目的は,深さ数mの加工穴の精度を包括的に評価できるレーザ誘導方式深穴評価プローブ(φ110)を製作することである.プローブは,誘導用光学ヘッド,測定部,姿勢制御部および送り機構から構成される. 本年度は,プローブの開発に関し次の4点で実績を残した. (1)プローブを送るインチウォームの機構を設計した.送りを与えるためのレバー及び実験装置を作り圧電アクチュエー夕を用いてモデル実験を行った.その結果最適レバー形状を決定することができた.現在,8個の圧電アクチュエー夕用ドライバーを注文中で,入荷次第実用可能な送り機構を製作する. (2)半導体レーザを用いる方式の工具姿勢検出法を考案した.姿勢検出用光学系が非常に簡単で測定精度があがることが期待できる.半導体レーザを用いる方式の光学系を製作し試験してみたがレーザビームの安定性が悪く,測定精度がまだ上がっていない. 研究の副産物としてレーザビームのゆらぎが1mあたり±30μmあることが分かった.現在このゆらぎをとる方法を検討している.これに成功すれば誘導精度が格段に上がる.(3)工具の誘導にファジィ理論を導入した.これにより誘導精度が上がることが期待できる.これから検討していく. (4)当初の設計と比較してより安定して誘導できる構造のプローブを考案した.プローブの姿勢制御が容易にかつ高精度で可能である.現在この方式で研究を遂行している.これに関しては,1999年度精密工学会春季大会で,演題「レーザ誘導方式深穴評価ブローブの開発(測定原理および構成)」で発表する.
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