研究課題/領域番号 |
10875070
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10181421)
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研究分担者 |
野々垣 陽一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40300719)
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 講師 (90222124)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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キーワード | Dy / III-V族半導体 / OMVPE法 / 半導体レーザ / Er / InP / GaInP / 量子ドット |
研究概要 |
本研究では、2〜3μm帯にスピン軌道準位間遷移を示すことが予測されるDyを添加した各種III-V族半導体を有機金属気相エピタキシャル(OMVPE)成長装置を基本とした、既存の原子層制御エピタキシャル成長装置を用いて作製し、Dy発光特性を解明することを第一の目的とする。その際、既に掌握している蛍光EXAFS法やX線CTR散乱法といったミクロ構造評価技術を用いてDy原子周辺局所構造と発光特性の関連を明らかにする。さらに、それら材料の特性を存分に発揮した室温で動作する「Dy発光準位を利用した2〜3μm帯発光デバイス」の試作を行うことを第二の目的とする。 本年度は、Dy添加に先立ち、同じ希土類元素であるErを取り上げ、OMVPE法により各種III-V族半導体にErを原子レベルで制御しながら添加する技術を確立することを目指した。得られた知見は以下のとおりである。 ● Er添加InpにおけるEr発光およびEr原子周辺局所構造への熱処理効果を検討した。Er発光ならびにEr原子周辺局所構造は熱処理に対して非常に安定であることが明らかになった。このことは、Er発光中心に関連するEr原子周辺局所構造は成長時の熱処理ではなく、成長表面での反応により形成されることを示唆している。 ● Er添加GaInPにおいて、Er発光の温度消光特性について調べた。Er発光の測定温度依存性より、4f電子励起を特徴づける二つの活性化エネルギーを求め、4f電子の励起機構を明らかにした。 ● Stranski-Krastanow(S-K)機構によりGaAs基板上に形成されたInAs量子ドットへのErドーピングを行い、その発光特性について調べた。GaAsバンドギャップ(波長815nm)より大きい励起エネルギー(above-bandgap excitation)を用いた場合にのみ出現する新しいEr発光線を見出した。この発光線の励起波長依存性より、InAs量子ドットに添加されたErに起因する発光であることを明らかにした。
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