研究概要 |
科学研究費補助が確定したのが10月であった。従って、研究スタートが10月に入ってからとなったため、特記すべき実績は出ていない状況にある。 視細胞から外網状層を介してなされる網膜信号処理のモデルに基づいてなされた過去の研究を、信号品質の観点から見直すことで研究をスタートさせた。 視細胞から水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞にいたる迄のアナログ信号過程の過去のモデルを、信号品質(信号対ノイズ)の観点からシミュレーションすることを進めつつある。そのモデルをシステム化(IC化)し、画像デバイス基準で信号の流れを追うも進めつつある。また、ランダムノイズだけでなく、固定パターンノイズにも注目、抑制機能を探ることも並行して進めている。 第1段階として扱いが平易な、抵抗ネットワークモデルに基づいた初期視覚を取り上げ、信号品質の観点からシミュレーションを進めた。また、抵抗ネットワークモデルの信号品質評価を行うため、このモデルに基づいたピジョンチップを2月に設計、MOTOROLAのCMOSプロセスによる試作を、VDECに依頼をした。このビジョンチップの入手は6月末の予定である。さらに、新たに、視細胞から水平細胞,双極細胞,アマクリン細胞にいたる迄の、視覚の信号処理に基づく信号の流れのモデル化を行い、現在、シミュレーションを行いつつある。このモデルについても、信号品質の評価を行うため、IC化を考えており、設計を進めている。 シミュレーション、IC化と並行して、信号品質の評価を行うための測定系の準備を進めた。画像デバイスで汎用的に行われている測定系を中心に、これに加えて、信号のスペクトラム解析を行うことで信号評価を行うこととした。
|