研究概要 |
本研究では,視点や価値観の異なる他者からの指摘や示唆などの「ヒューマンインタラクションにおける創発」のモデル化について検討を行い,実際にモデルの構築を行っている.今年度は,ヒューマンインタラクションにおける創発現象の分析として,人間同士がインタラクションの過程で「視点や価値観の異なる他者からの示唆・指摘」,「議論による新たな問題の発見」等の形で相互に影響を与えあうケースを取り上げ,概念相違を検出する手法を提案し,プロトコル分析を行った.また,相転移や引き込み現象に基づいた創発のモデル化についても検討し,具体的にはカオスを用いた群衆行動の生成やユーザが予想しない動きを自動生成するアニメーション生成支援環境,エージェントを用いた協調型自動演奏モデルなどの手法について検討を行った. 来年度は,本年度の検討結果やプロトタイプシステムによるシミュレーションデータに基づいて,それぞれ本格的なシミュレーションシステムを開発し評価を行うと共に,創発モデルの「知的支援」への適用について考察を加える予定である.
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