研究課題/領域番号 |
10875085
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大谷 隆彦 同志社大学, 工学部, 教授 (50066205)
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研究分担者 |
松川 真美 同志社大学, 工学部, 講師 (60288602)
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キーワード | Debye effect / ionic vibration potential / ultrasonic vibration potential / ultrasonic sensor / shock wave measurement |
研究概要 |
電解質溶液中を音波が伝搬する場合、その溶液中に微小交流電圧(超音波振動電位)が生じる。この現象はP.Debyeによって1933年に報告され、Debye効果とも呼ばれる。この現象を利用して本研究グループは大勢力超音波すなわち衝撃性音波の音圧を定量的に観測する新しい手法を確立することを目的に研究を進めている。なお、本研究グループは、すでに微小電極対で検出した超音波振動電位が音響双極子の特性を有することを明らかにしている。すなわち電位検出用の電極の大きさが、電極対の間隙及び音波の波長に比べて十分微小な場合には理想的な双極子特性を持つことを明らかにしている。 そこで1998年度(平成10年度)は、平行に配置した2個の微小円柱状の白金電極を電極対とし、主に電極形状と寸法が振動電位に及ぼす影響を検討した。その結果下記の点が明らかになった。 (1) 電極直径が音波の波長に比べて微小とみなせない場合、電極の電気伝導性によって振動電位分布が変化し電位が減少することを明らかにした。 (2) 電荷重畳法により電位分布の変化を定量的に計算し、電極間隙が接近すると電位分布が減少する近接効果を明らかにした。 (3) 電極直径が音波の波長に比べ微小とみなせない場合の振動電位の周波数応答を計算し、実測により検証した。 (4) これらの結果にもとづいて、電解質溶液中の振動電位の正確な値を測定する手法を明らかにできた。 これらの研究成果によって、Debye効果による新しい超音波センサーが十分実現可能である見通しを得た。また成果の一部を日本音響学会1999年春季研究発表会で発表した。(日本音響学会講演論文集、pp.953-954 1999年3月)
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