研究概要 |
高齢者介助ロボットの開発として、本研究では自律移動ロボットの開発研究を行ってきた。本年度は、市販の高齢者向け電動車をベースとした自律移動ロボットシステムのプロトタイプ(全長1.2m×全幅0.7m)を完成させた。 完成したロボットシステムの性能は、以下の通りである。搭載しているパーソナルコンピュータ(Cyrix MMX233Hz,32MB)には、16chパラレル出力モジュール、32chパラレル入力モジュール、8chD/A変換モジュールが装着されている。ロボットの車速は、1.0〜6.0km/hまでを希望車速の±0.2km/hの範囲で設定可能である。実用上、特に介助を目的としていることから、通常の走行は設定最低車速1.0km/hとしている。前輪は左右約40度までの回転が可能で、前後進との組み合わせにより、ロボットの移動行動を構成する。 コンピュータに装着されている32chパラレル入力のうち28chは各種センサからの入力を受け取ることができる。現システムでは、超音波距離センサ1モジュール、赤外線遮光センサ2モジュール、そして3×4キーボードが装着されている。超音波距離センサ前輪回転軸に設置しており、進行方向にあたる目標までの距離を計測し、移動量を制御するための指標にしている。赤外線遮光センサは、ロボット上部に設置した赤外線発信源をランドマークにして、ロボット自身の移動範囲を規定している。3×4キーボードは脱着式で、キーボードを通して手動でロボットの前後進、左右転回を制御するためのモジュールである。 介助ロボット研究の一環として、視覚障害者を対象にした歩行補助器における環境情報の呈示方法について検討を行ってきた。触覚への情報呈示装置(触覚ディスプレイ)の開発を行い、この程単一のPZT振動子を用いた変調波振動による触覚ディスプレイに関して学術論文をまとめた。
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