研究課題/領域番号 |
10875094
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
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研究分担者 |
内村 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60292885)
吉嶺 充俊 東京都立大学, 工学部, 講師 (80251338)
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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キーワード | セメント改良土 / 変形・強度特性 / 三軸圧縮試験 / 養生 / セメンテイション / 拘束圧 / せん断応力 / 弾性変形特性 |
研究概要 |
セメント混合により改良した土の、現場における拘束された応力条件におけるセメンテイションの独特な発達過程を明らかにするために、代表的なセメント改良土である締固めた不飽和セメント改良砂と締固めを伴わない飽和セメント改良粘性土を用いて系統的な一軸圧縮試験と三軸圧縮実験を行った。養生期間は10日前後であった。その結果、以下のような非常に新しく工学的にも重要な事実を発見した。 1) セメント改良砂とセメント改良粘性土共通して,異方応力状態で養生をすると、非排水・軸ひずみ一定の条件の下でも、載荷を再開すると弾性的変形特性を示す非常に大きな応力領域が出現する。一定の応力状態のまま排水状態で養生しても、ほぼ同様な現象を示す。この高剛性応力領域の大きさは、セメンテイションの無い土で観察される同様高剛性応力領域の大きさと比較すると、圧倒的に大きい。 2) 異方応力状態で養生を行った後、側圧一定の三輪圧縮試験、軸応力/側方応力の比が一定の異方圧密、軸応力一定の載荷を行ったが、何れの場合も上記高剛性応力領域が現れ、養生を行った異方応力点のまわりに広い範囲に形成されていることが確認された。 3) 上記高剛性応力領域の大ききは、載荷時のひずみ速度が大きいほど大きい。 4) 異なる異方応力領域で養生すると、セメンテイションが生じる限り高剛性応力領域は何度でも形成されると言う移動硬化の性質を持っている。 軟弱な粘性土をセメント混合で改良した場合、圧縮強度は、低拘束圧では改良土の方が未改良土よりも大きいが、一軸圧縮強度を越える拘束圧以上になると改良土の方が逆に小さくなる。これは、未改良土は拘束圧の増加とともに圧密されて密度されるが、セメント改良土はセメンテイションのため密度されないためである。それ以上拘束圧が高くなるとセメンテイションが破壊され、未改良土の変形・強度特性に漸近する。
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