研究課題/領域番号 |
10875106
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山口 行一 徳島大学, 工学部, 助手 (80294718)
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研究分担者 |
上月 康則 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)
近藤 光男 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10145013)
山中 英生 徳島大学, 工学部, 教授 (20166755)
鎌田 磨人 徳島大学, 工学部, 助教授 (40304547)
澤田 俊明 建設材料試験所, 設計部, 部長
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キーワード | 棚田 / 中山間地域 / 保全戦略 / 参加型計画手法 / PCM手法 / 植生 / 景観分析 / 意向調査 |
研究概要 |
定住者や訪問者による棚田のような環境財の持続的な保全、中山間地域の保全を実現するには、景観生態的存在価値のような産業基盤外の存在価値に着目し、対象地域で実効性のある独創的な保全戦略を策定することが重要である。そこで本研究では、徳島県上勝町樫原地区をケーススタディとして、昨年度から生態系からみた棚田の機能評価、景観美からみた棚田の価値評価に取り組んできた。最終年度である今年度は、保全に関する意向についてアンケート調査を行い、上勝町民、隣接市町村民の棚田保全に関する意向や、棚田保全に関する支払い意志額を計測した。そして、それらをもとに、具体的な保全戦略の策定とその策定プロセスの提案を行った。 1.棚田保全に関するアンケート調査による成果 調査は、棚田の機能評価、保全意識、他の環境財と比較した際の棚田の重要度、保全施策に対する賛否・支払い意志額などについて、上勝町民棚田保有者・非保有者・農業従事者・非農業従事者、隣接市町村民農業従事者・非従事者の各主体に行った。その結果、保全に対する意向を把握できた。 2.具体的な保全戦略の策定とその策定プロセスの提案 保全戦略策定は、海外援助プロジェクトなどで用いられているPCM手法を用いて行った。市民参加型であるPCMワークショップによって、「耕作やりがいプロジェクト」という上勝町において実効性のある独創的な保全戦略が明らかになった。また、策定プロセスとして提案したPCM手法が、棚田保全戦略の策定プロセスに有効であると、その後のアンケート調査で評価された。
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