研究課題/領域番号 |
10875109
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研究機関 | 秋田県立農業短期大学 |
研究代表者 |
鈴木 有 秋田県立農業短期大学, 木材高度加工研究所, 教授 (90027235)
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研究分担者 |
後藤 正美 金沢工業大学, 工学部, 講師 (40170469)
田中 光 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064441)
岡崎 泰男 秋田県立農業短期大学, 木材高度加工研究所, 講師 (70279511)
飯島 泰男 秋田県立農業短期大学, 木材高度加工研究所, 教授 (10279507)
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キーワード | 木造建物 / 在来軸組工法 / 伝統軸組工法 / 耐震抵抗機構 / 技術思想 |
研究概要 |
1. 「伝統工法」と「在来工法」に関して、『技術思想』及び『抵抗機構』の共通性と相違性を比較分析した。 2. その結果、「伝統工法」は地震外力をしなやかに受け入れ、各所に分散しながら吸収する粘り強い構造体を造ること、(1)「土塗り壁」・(2)「通し貫工法」と「柱・梁の木組み接合部」・(3)「柱じが置基礎」で段階的に抵抗する『多段階防衛型』であること、この「自然体型」は無理をせず、地震力が大きくなれば壊れる部分も予め造っておき、多数のダンバーを内蔵してエネルギーを消散し或いは遮断すること、材料と構造と工法の絶妙な経験的・口伝的バランスの上に成立し、現段階では未だ一般化が難しいこと等を明らかにした。 3. 上記の技術思想と地震力への抵抗機構の現代技術による補完実現を『新伝統木造軸組対震工法』創成の基本方針とした。 4. 新工法の基礎をなす「構造材料」「接合工法」「立体架構法」「壁体工法」「基礎工法」の各々について、『対震工法』としての体系化を図りつつ、具体的手法として考案した。 5. 木材高度加工研究所の構内に、上記の考案手法を工法として取り入れた実大の住宅実験棟を建設し、各種の振動実験や静的加力実験を実施して、その力学的合理性と構法的有用性とを検証した。 6. 合理性と有用性を検証しえた主な工法は、(1)RC造地中梁に埋設した自然礎石に直置きの土台基礎、(2)通し貫+木小舞の土塗り壁+下見板梁壁体、(3)落とし厚板壁体、(4)太径木ダボ接合である。
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