研究課題/領域番号 |
10875139
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
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研究分担者 |
佐藤 裕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00292243)
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キーワード | Friction Stir Welding / アルミニウム合金 / ビッカース硬度 / TEM / 強化析出物 / 集合組織 / 摩擦熱 / 塑性流動 |
研究概要 |
Friction Stir Weldingは突き合わせ接合が可能な新しい固相接合法で、熱影響が少なく気孔や割れた生じにくいなどのさまざまな利点を有している。そのため、溶融溶接時に気孔や溶接割れた生じやすいという理由から、難接合材料と考えられている材料に対する適用が期待されている。本研究では、各種難接合材料に対するFriction Stir Weldingの適用可能性を検討するため、接合部のミクロ組織を系統的に調査し、材料科学的な観点からFriction Stir Weldingの接合メカニズムの解明を試みている。本年度得られた結果は次のとおりである。 1.析出強化型Al合金Friction Stir接合部の硬度分布に及ぼすミクロ組織について調べた。析出強化型Al合金の硬度分布は、強化析出物の分布・形態によって説明でき、これらは接合時の摩擦熱にのみ影響を受けることを示した。 2.固溶強化型Al合金Friction Stir接合部の硬度分布に及ぼすミクロ組織について、詳細に調べた。固溶強化型Al合金の場合、硬度分布は結晶粒径や転位密度などの結晶粒組織の影響をほとんど受けず、微細な晶出物に影響を受けることを示した。 3.Friction Stir Weldingは、摩擦熱と塑性流動によって行われているため、塑性流動挙動をEBSP/OIMによるミクロテキスチャー解析により調査した。接合部の再結晶領域には、せん断変形の集合組織が認められ、これらは回転ツールの軸を中心に回転していることがわかった。つまり、Friction Stir Weldingの中の塑性流動は、回転ツールによるせん断変形により特徴付けることができることを明らかにした。
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