高温での使用が想定される様々部材のために、多くのセラミックス材料が開発されてきた。その信頼性を保証するためには、十分で適切な非破壊評価を行い、危険な欠陥の検出・評価することが重要である。しかし現状においては、そのような手法は存在しておらず、そのため高温での非破壊評価手法の開発が望まれている。そこで本研究においては、まずレーザーAE装置の開発を行う。この手法は、高温でのin-situかつ動的な唯一の非破壊評価手法であると考えられる。この手法を用いて、CFRPの高温での強度試験、およびアルミナコーティング材料の熱衝撃試験において発生するAE信号を計測、解析を行った。 レーザーを用いた材料表面の変位の測定は、その原理が古くから知られており、それを応用した製品も数多く生産されている。また非接触の非破壊評価手法として近年注目されている。しかし、AEにおいてはMHzオーダーの周波数帯域の微小な信号を対象にしており、このような信号を高感度・高精度で計測することは必ずしも容易ではなかった。 この装置は、レーザー用いた光学系および干渉計部分と、その後出力を高速でA/D変換しコンピュータに記録し解析する部分から成り立つ。後半の部分は現有のAE装置を流用し、前半の部分については、用いる材料に対して最適になるように設計し組立を行った。 CFRの強度試験、およびアルミナコーティング材料の熱衝撃試験において発生するAE信号の計測を行った。十分な信号が得られるように装置の開発、改良を進めることにより、試験の際のAE信号をできるだけ感度良く検出することが可能となった。
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