バナナ形状のメソゲン基を有する主鎖型高分子に関するキラル強誘電液晶の研究を遂行するにあたり、より明確な事象の確認を行うため、そのモデル化合物(ND80AM)でまず研究を行い(1)〜(3)の結果を得た。 (1) アキラル分子系にもかかわらず、右巻きらせんと左巻きらせん構造を持つスメクチック液晶が自発的に発成する。 (2) いずれかのドメインを優先的に作成することができ、各々において光の選択反射に基づく正及び負の対称なCDスペクトルを確認することができた。 (3) これらの相は基本的には強誘電相と考えられるが、粘性が高いため、応答速度が著しく遅く、その十分な確認はできていない。
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