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1998 年度 実績報告書

カンショのショ糖情報伝達系におけるプロテインホスファターゼ2Aの役割

研究課題

研究課題/領域番号 10876003
研究機関九州大学

研究代表者

斎藤 和幸  九州大学, 農学部, 助教授 (00215534)

キーワードカンショ / プロテインホスファターゼ2A / ショ糖 / 情報伝達 / 塊根形成 / 遺伝子発現
研究概要

本研究はカンショにおけるショ糖情報の伝達機構を明らかにするため,プロテインホスファターゼ2Aの触媒サブユニット(PP2A)の一次構造と発現様式を検討した.
カンショの塊根よりクローニングしたPP2AのcDNAは876bpのオープンリーディングフレームを持ち,分子量約33kDaのタンパク質をコードしていた.カンショと他の植物のPP2Aとの相同性を比較するとシロイヌナズナとは71%,ナタネとは63%,ヒマワリとは73%,アルファルファとは63%,タバコとは73%,イネとは72%の相同性を示した.アミノ酸配列についてみてみると,カンショPP2AのN末端から69番目以降のアミノ酸残基では他の植物のPP2Aのアミノ酸残基とよく一致した.しかし,N末端から68番目までのアミノ酸残基はあまり一致しておらず,カンショのPP2Aには他の植物のPP2Aには見られない特異なアミノ酸配列が存在した.また,植物のPP2Aのアミノ酸配列に基づいた系統関係を検討すると,これまでに報告された植物のPP2Aは大きく二つのグループに分かれた.しかし,カンショのPP2Aはそのどちらにも属さず他の植物のPP2Aとは最も遠い系統関係にあった.カンショの器官別(葉身,葉柄,ほふく茎,若根及び塊根)のノーザンプロット分析ではすべての器官で約1.9kbの1本のバンドが検出された.PP2AのmRNAレベルは若根で最も高かった.塊根形成過程の根におけるPP2AのmRNAレベルは苗植え付け後14日目が最も高く,塊根形成にともなって低下した.
以上の結果より,カンショの根には他の植物のPP2Aとは異なる特異なPP2Aが多量に存在していることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 菊池真美子: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)のプロテインホスファターゼタイプ2AのcDNAクローニングと発現様式" 日本作物学会紀事. 第67巻・2号. 136-137 (1998)

  • [文献書誌] 占部敦子: "サツマイモ塊根からのショ糖トランスポーターcDNAの特徴" 日本作物学会紀事. 第67巻・2号. 138-139 (1998)

  • [文献書誌] 坪根正雄: "スクロースの茎内注入がサツマイモ塊根の肥大に及ぼす影響" 日本作物学会紀事. 第67巻・2号. 140-141 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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