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2000 年度 実績報告書

カンショのショ糖情報伝達系におけるプロテインホスファターゼ2Aの役割

研究課題

研究課題/領域番号 10876003
研究機関九州大学

研究代表者

齋藤 和幸  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00215534)

キーワードカンショ / プロテインホスファターゼ2A / スクローストランスポーター / β-アミラーゼ / スクロースシンターゼ / 遺伝子発現
研究概要

カンショの塊根よりクローニングしたプロテインホスファターゼ2A(PP2A)のcDNA(IbPP2A)は292個のアミノ酸残基からなる分子量約33kDaのタンパク質をコードしていた.IbPP2Aをプローブとした部位別(葉身,葉柄,ほふく茎,若根及び塊根)のノーザンブロット分析では各部位で約1.9kbのバンドが検出され,mRNAレベルは若根で最も高かった.塊根形成過程(苗植え付け後14日目,21日目及び28日目)の根では14日目にPP2AのmRNAレベルが最も高く,その後低下した.この時,β-アミラーゼやスクロースシンターゼ(SUS)のmRNAレベルは塊根形成とともに高まり,PP2A遺伝子の発現様式と一致しなかった.一方,スクロースの輸送タンパク質であるスクローストランスポーター(SUT)のmRNAレベルは塊根形成とともに低下し,PP2A遺伝子の発現様式とよく一致した.次に,葉身を付けた葉柄の切断面から6%スクロース溶液を吸収させたところ,葉柄のβ-アミラーゼとSUSのmRNAレベルは高まったが,PP2AとSUTのmRNAレベルは変化しなかった.
以上の結果より,カンショのPP2A遺伝子の発現様式はβ-アミラーゼやSUS遺伝子の発現様式と一致せず,SUT遺伝子の発現様式とよく一致することが明らかとなった.このことからクローニングしたPP2Aの遺伝子はSUT遺伝子の発現を制御していることが考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 齋藤和幸 ら: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)におけるプロテインホスファターゼタイプ2A遺伝子の発現解析"日本作物学会紀事. 69(1). 28-29 (2000)

  • [文献書誌] M.Tsubone et al.: "Enhancement of tuberous root production and adenosine 5' -diphosphate glucose pyrophosphorylase (AGPase) activity in sweet potato (Ipomoea batatas Lam.) by exogenous of sucrose solution."J.Agronomy & Crop Science. 184. 181-186 (2000)

  • [文献書誌] 門脇正行 ら: "人為的糖供給によるサツマイモの幹物生産と炭素配分の変化"日本作物学会紀事. 69(2). 126-127 (2000)

  • [文献書誌] 大久保裕行 ら: "サツマイモのSNF1関連プロテインキナーゼのcDNAクローニングと発現解析"日本作物学会紀事. 69(2). 318-319 (2000)

  • [文献書誌] 齋藤和幸 ら: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)における2つのスクローストランスポーター遺伝子の発現特性"日本作物学会紀事. 69(2). 322-323 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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