研究概要 |
当該研究者は既に、北海道のゴルフ場にて数種のコガネムシを採取して、そこからB.popilliae菌株(3菌株、var.Mame.Hime,var.Sakura)を分離し、その性状を報告した。本実験ではそれらのB.popilliae菌株の結晶タンパク質を解析した。各菌株の結晶タンパク質のSDS-PAGEによる解析の結果、それぞれの菌株が約80kDaのペプチドからなる結晶タンパク質を産生じていることが明らかとなった。まず、これらのB.popilliae菌株から遺伝子ライブラリーを作成する為に、DNAの抽出を行った。そこで、既に報告されている、B.popilliae由来の結晶タンパク質遺伝子(cryBPl)に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、B.popilliae菌株cryク遺伝子の検索をPCR法を用いて行った。各種プライマーを用いてcry遺伝子検索を行った結果、これらのB.popilliae菌株が、報告されているcryBPl遺伝子を有しないことが明らかとなった。そこで、これらのB.popilliae菌株の有するcry遺伝子をクローニングするため、cryBPl遺伝子と相同性を有しているcry2遺伝子をプローブとして、B.popilliae菌株の遺伝子ライブラリーのサザンハイブリダイゼーションによるスクリーニングを行った。その結果、var.popilliae株において、cry2遺伝子プローブとハイブリダイゼーションのシグナルを得た。var.Sakura株においてはサザンハイブリダイゼーションのシグナルが得られなかった。そこで、B.popilliae var.popilliae株の遺伝子ライブラリーをλ gtllを用いて作成した。現在その遺伝子ライブラリーのスクリーニングを行うとともに、他のcry遺伝子をプローブとしたサザンハイブリダイゼーションを行っている。
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