研究課題/領域番号 |
10876020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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研究分担者 |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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キーワード | 脱窒細菌 / Azoarcus cc-11 / Tauera sp.DNT1 / フェノール / トルエン / 4-ヒドロキシ安息香酸 / ベンジルコハク酸 |
研究概要 |
1) 脱窒性芳香族分解細菌の大量菌体調製方法の確立: 脱窒条件下でそれぞれフェノールおよびトルエンを分解するAzoarcus cc-11とTauera sp.DNT1株をジャーファーメンターで培養し、菌体大量調製法を確立した。いずれの場合にも、炭素源である芳香族化合物を一度に大量に添加することはできず、予め設定した炭素源と硝酸の消費の比率に従い、硝酸濃度をモニターしながら各炭素源と硝酸を逐次添加する方法が最適であった。 2) 代謝経路の確立: 代謝産物の同定により脱窒条件下での代謝経路を確立した。Azoarcus cc11のフェノール分解経路は、フェノールリン酸を経てベンゾイルCoAに至るものであり、Tauerasp.DNT1では、トルエンはベンジルコハク酸を経てベンゾイルCoAに至るものであった。 3) Azoarcus cc-11を用いるフェノールから4-ヒドロキシ安息香酸の合成: フェノールはフェノールキナーゼおよびフェノールリン酸カルボキシラーゼ反応を経て4-ヒドロキシ安息香酸になる。この代謝経路に従って、菌体反応による4-ヒドロキシ安息香酸の生産条件を設定した。これによって従来困難であった安息香酸4位の特異的水酸化を高収率で行うことを可能にした。 4) Tauera sp.DNT1を用いるベンジルコハク酸の合成: 本菌のトルエン分解経路の初期反応ではトルエンとフマル酸からベンジルコハク酸が生成する。この反応はベンジルコハク酸シンターゼ(BSS)によって触媒されるものである。当該菌体反応での著量蓄積を認め、さらに生産性向上のため、BSS遺伝子のクローニングを行い、そのサブユニットに相当する読み粋を特定できた。さらに近接する他のサブユニットのクローニングを行い、大量生産用の菌株の創製を行う。
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