研究概要 |
九州山地山岳林に適応した森林経営システム(営林システム)として,それらの山岳林が有する多面的機能の保全を配慮し,小面積帯状分散皆伐方式を基本とする「等高曲帯状営林システム」の基本設計を終了した現状下にある。この基本設計を,現地に適用可能な営林システムとして詳細設計するために,このシステムの適用可能性を大きく左右するキーポイン卜 すなわち等高線方向に沿って区画される曲帯状伐区の伐出作業が経営上支障無く実行可能か否かを検証するのが本研究の目的である。 この目的を達成するために,まず九州山地の奥地山岳林(一ツ瀬川源流域)に位置する九州大学宮崎演習林(総面積約3,000ha)の針広混交天然生林内に,来年度交付内定金額を十分に考慮した上で,等高線方向に沿って,0.35haの曲帯状伐区を1個設定した。 次に.その曲帯状伐区内の立木調査を実施した結果.主要樹種はモミ・ツガ・アカマツの針葉樹と,ミズナラ・シデ類の広葉樹であり,胸高直径10cm以上の立木全材積は85m^3(243m^3/ha)であった。 さらに.設定された曲帯状伐区の形状,伐区内の地形等と.適用される集材方式とを勘案して,集材架線の架設ラインを選定し,来年度の集材作業実施に備えた。
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