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1998 年度 実績報告書

新規液化促進溶媒の探索

研究課題

研究課題/領域番号 10876036
研究機関東京大学

研究代表者

小野 拡邦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30261960)

研究分担者 梶山 幹夫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
竹村 彰夫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50183455)
キーワード液化 / セルロース / 木材 / 炭酸エチレン / 炭酸プロピレン
研究概要

従来の液化溶媒として、フェノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ラクトン類が用いられてきた。これらは木材の液化において、木材の酸分解成分と反応するとともにフェノール核やアルコール性水酸基などの反応性基をもたらす。このため液化生成物はこれらの官能基によりさらに高分子化する可能性をもたらす。しかし、アルコール類では液化反応が非常に遅いという欠点を有していた。本年度は上記アルコール類と同様の液化物を与える可能性のある環状炭酸物として炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンを液化溶媒として選択し、検討を行った。
[環状炭酸類によるセルロースの液化速度] セルロースを酸触媒液化法により環状炭酸類で液化し、液化速度を従来のエチレングリコールやポリエチレングリコールと比較した。その結果、炭酸エチレンではエチレングリコールの約28倍、炭酸プロピレンでは約13倍速い速度で液化が起きることを確認した。
[環状炭酸類による木材の液化] セルロースでの結果から、環状炭酸類として炭酸エチレンを用いて木材の液化を検討した。シラカンバでは速い液化が起きることが確認されたが、スギでは不溶解物が残り完全な液化は達成されなかった。この不溶解物を赤外吸収スペクトル法で分析した結果、不溶解物はスギリグニンに類似した物であった。広葉樹であるシラカンバと針葉樹のスギではリグニン骨格に違いがある。この相違が環状炭酸類での液化挙動の差として現れるものと考えている。今後は、液化物の組成分析などからこの液化挙動の相違の原因、針葉樹での液化の改善などを検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山田、小野、大原: "炭酸エチレンを用いた木材の液化" 第47回日本木材学会大会研究発表要旨集. 308-308 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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