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1998 年度 実績報告書

魚病細菌Aeromonas hydrophilaの貧栄養条件における病原性

研究課題

研究課題/領域番号 10876041
研究機関高知大学

研究代表者

川合 研兒  高知大学, 農学部, 教授 (60127925)

研究分担者 鄭 星珠  高知大学, 農学部, 助手 (90294826)
キーワードAeromonas hydrophila / 外膜タンパク / S層タンパク / 飢餓 / 病原性
研究概要

Aeromonas hydrophila A-3500株を普通ブイヨンで培養した菌(培養菌)と、これを塩類溶液(NaCl 0.6%,KCl 0.5%,CaCl_2・2H_2O 0.1%,MgCl_2・6H_2O 0.2%)で24時間インキュベートした菌(飢餓菌)を調製した。これらの菌をコイ(黄金、紅白)、キンギョおよびギンブナに腹腔内注射してLD_<50>を測定したところ、いずれの魚でも飢餓菌のほうが約10倍低い値となり、飢餓菌のほうが病原性が高いことが示された。両菌から全タンパク質画分、外膜タンパク(OMP)画分およびS層画分を調製し、SDS-PAGEおよびウエスタンブロットでタンパクのプロフィールを比較したところ、全タンパク画分では詳細が比較できなかったが、OMP画分およびS層画分では両者の間に相違が認められた。すなわち、OMP画分では39、52および97kDaのタンパクが飢餓菌のみ認められ、S層画分では91kDaのタンパクが培養菌にだけ認められた。さらに、両菌に対するフナの頭腎マクロファージの貪食活性を比較したところ、飢餓菌に対して有意に低い貪食率が示された。これらのことから、A.hydrophilaを飢餓させることによりコイ科魚に対する病原性が高くなり、菌体の外膜やS層のような表在タンパクに変化が起こることが明らかになった。また、このような表在タンパクの変化は、マクロファージなどの貪食細胞による認識を低めるか、貪食に対する菌の抵抗性が高くなることに役立つことが示唆された。
なお、モノクローナル抗体は作製してあるが、これを用いた抗原の分析は次年度へ継続する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Rahman,M.H.,S.Suzuki,R.Kusuda and K.Kawai: "Changes of outer membrane and S-layer protein profiles of Aeromonas hydrophila by starvation" Fish Pathology. 33・4. 275-279 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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