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1999 年度 実績報告書

魚病細菌 Aeromonas hydrophila の貧栄養条件における病原性

研究課題

研究課題/領域番号 10876041
研究機関高知大学

研究代表者

川合 研兒  高知大学, 農学部, 教授 (60127925)

キーワードAeromonas hydrophila / 飢餓 / 病原性 / 外膜タンパク / 感染防御抗原
研究概要

これまでの一連の研究で、Aeromonas hydrophila A-3500株を液体培地で培養したのち塩類溶液で飢餓させた菌は、コイなどに対する病原性が培養菌よりも高いことを明らかにしてきた。本研究では、まずこれらの菌の病原性の違いをフナでも確認したのち、病原性に関与すると考えられる菌の生物学的性状を両菌で調べた。その結果、フナの皮膚に対する付着性、体表粘液・血清の殺菌性に対する抵抗性、および頭腎マクロファージの貪食に対する抵抗性がいずれも飢餓菌のほうが高く、このような生物活性の高さが飢餓菌の高い病原性を裏付けるものと推定した。培養菌、飢餓菌および感染魚から回収した菌から外膜タンパク(OMP)を抽出し、SDS-PAGEで比較したところ、36および43kDaのOMPが共通に認められた。そこで、これらの抽出したOMPをそれぞれキンギョに注射して免疫したのち感染試験を行ったところ、いずれの免疫魚も非免疫魚より高い生存率を示し、共通のOMPには感染防御抗原性があると推定された。つぎに、各地で異なった魚種から分離されたA.hydrophila7株およびA.hydrophilaと近縁種のAeromonas veronii biotyoe sobria T30株、Aeromonas jandaei B2株およびAeromonas sp.T8株を用い、抗A-3500株血清を用いたSDS-PAGE/ウェスタンブロットおよび菌体凝集反応を行って、抗原の比較を行った。その結果、凝集反応ではA.hydrophila株間および近縁種との間で、凝集価が大きく異なり血清型が異なることが示された。しかし、ウェスタンブロットではA.hydrophilaの菌株間ではほとんど差異がないが、近縁種との間ではパターンに大きな差異が認められた。これらのことから、本菌の飢餓菌と培養菌との間に認められる36および43kDaのOMPは、病原性にはあまり関与しないが、本種における共通の感染防御抗原である可能性が強いと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Rahman,M.H.and K.Kawai: "Biological characteristics of starved Aeromonas hydrophila which contribute to virulence in crucian carp,Carassius cuveri"Microbiol.Res.. 154. 145-149 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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