研究概要 |
コークスベット方式により生成された一般廃棄物溶融スラグを微粉末化し、セメント系固結材としての利用を検討するため、10年度に引き続き以下に示した1〜3の試験を行った。11年度は固結材としての効果をより高めるため、スラグ生成時の石灰石投入量を前年度よりも増やし、粉末度も3,950から4,300cm^2/gに増加させた。 1.スラグ微粉末の理化学性:前年度のスラグ微粉末(以下、スラグとする)と比較すると、材齢7、28日の活性度指数は今年度の方がやや小さく、材齢91日ではほぼ同じ値、塩基度は1.58から1.65とわずかに増加、pHはやや低くなった。これらは前年度のスラグ同様、微粉末状の高炉スラグに近い値である。 2.コンクリート用混和材としての圧縮強度:スラグの置換率0、10、30、50%、養生温度5、20、30℃、材齢7、28、91日の条件でのコンクリートの強度発現は、温度依存性が大きく、その傾向はスラグ置換率が高くなる程顕著になり、長期強度の発現は富配合においてスラグの効果が高い。 3.地盤改良材としての圧縮強度:土に対するセメント添加率を5、10、15%、セメントに対するスラグの置換率を0、30、50、70%、材齢7、28、91日の条件で3種類の土の一軸圧縮試験を行った結果、高含水比の有機質粘土は前年度のスラグに比べ全体的に低い強度であった。高含水比の木節粘土は添加率10、15%では置換率が高くなる程強度が増加し、火山灰質粘性土はスラグ添加による強度効果は、前年度のシルト質土に比べ少ない。
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