研究課題/領域番号 |
10876068
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
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研究分担者 |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80196774)
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キーワード | ベンツピラン / P,P'-DDE / リコンビナント・センダイウイルス / RNA変異原性 / GFP遺伝子 / 環境汚染物質 |
研究概要 |
近年、様々な環境破壊により世界各地で予期せぬ疾病が予期せぬ動物に出現している。そこで、本研究ではエマージング感染症に対する環境汚染物質による影響を宿主側からではなく、ウイルス側から検討した。まずその第一段階として、ウイルスRNAに強い変異原性を持つ環境汚染物質をスクリーニングするために、リバース・ジェネッテクス(遺伝子再構築)法によりgreen fluor escent protein(GEP)遺伝子を挿入したリコンビナントSendai virus(Sev/GFP)がサルモネラに代わるウイルスによる変異原性試験に応用出来るか否かを調べた。GFP遺伝子の発現は、産生される緑色の蛋白質を紫外線照射することにより容易に確認出来る。GFP遺伝子は人工的にSeV遺伝子に挿入されているので、変異原性を持つ物質に感作されることで容易に変異すると考えられている。GFP遺伝子が変異を起こすとGFPは発現せず、緑色の蛍光を示さなくなるために、この系はウイルス変異の検出を容易にすると思われる。 1年目では、SeV/GFPの発現GFPによる感染価が通常のウイルスプラックで測定価と同じであることを確認した。本年度は、環境汚染物質であるベンツピレン、4NQQ P.P'-DDEおよびβ-HCHを用いて、SeV/GFP遺伝子に変異が起こるか否かをGFP発現抑制ウイルスプラックの検出により調べた。しかし、GFP発現抑制ウイルスプラック数は対照との間で差が無く、変異を確認することが出来なかった。そこで、GFP発現抑制ウイルスのGFP遺伝子を調べた結果、1アミノ酸変異によりGFP発現が抑制されていることが確認された。現在、このGFP発現抑制ウイルスを用いて、上記とは逆にGFP発現復帰をマーカーにして環境汚染物質のRNA変異の検出を試みている。
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