本年度は遺伝子発現活性型突然変異体を作出する目的で、シロイヌナズナ、タバコを用いアクチベーションタギング法による突然変異体の作製を行った。当初の計画では本年度は突然変異体の作出、およびそれらのストレス耐性能の検討を行う予定であったが、以下の理由から現在は突然変異体の作出を行っているところであり、環境ストレス耐性能の検討は今後の行う予定となっている。 シロイヌナズナには直接注入法、減圧湿潤法というシロイヌナズナにとって比較的厳しい方法を用いてアグロバクテリウムによる遺伝子導入を行っているが、従来当研究室で用いていた生育条件ではその遺伝子導入法に耐えうる健全なシロイヌナズナの生育ができなかったので、まずアクチベーションタギングで用いるような厳しい遺伝子導入法に耐えうるシロイヌナズナの生育法の検討を行った。その結果、一般的に論文、プロトコール集などで報告されている方法とは異なる、当研究室独自の方法を確立し、健全なシロイヌナズナを生育させることに成功した。現在はこの生育法を用いて育てたシロイヌナズナを材料に突然変異体の作出を急ピッチで行っているところである。 タバコについては遺伝子導入法にリーフディスクにアグロバクテリウムを感染させカルス経由で植物体を再生させるという従来法を用いて行っており、現在20数個体の突然変異体が得られている。今後これらの突然変異体から種子を採取、播種してから環境ストレス耐性能を検討する予定であり、タバコは種子採取までの時間がかかるためまだ環境ストレス耐性能の検討は行っておらず検討は来年度に行う予定である。
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