研究課題/領域番号 |
10877003
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
吉永 一也 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (50136719)
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研究分担者 |
谷井 一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40207171)
年森 清隆 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20094097)
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キーワード | マイクロインジェクション / 単クローン抗体 / Brefeldin A / 遺伝子導入 / 精巣 / 精巣上体 |
研究概要 |
今年度は、精巣内精細管ないし精巣上体管への微小注入法の確立、および注入実験の基礎的データの収集を行った。【1】微小注入法の確立:雄動物(ラット、マウス)を麻酔後、実体顕微鏡下で、精巣網ないし精巣上体近位部にマイクロピペットを用いて抗体や薬液を注入した。なお、注入の成否は注入液に生体色素を混ぜ、精細管ないし精巣上体管の色の変化を見て判断した。また、正確な注入量や注入圧は、設備備品として購入したマイクロインジェクター(エッペンドルフ社製No.5246)を用いて制御した。この手法により、目的とする雄性生殖管への確実かつ容易な注入が可能となり、所期の目的を達成した。【2】(1)抗体の注入:精子鞭毛表面抗原を認識する単クローン抗体(MC31)を動物の精巣上体管に注入した。24時間後に精巣上体の免疫染色を行い、抗体の到達細胞(部位)を調べた。その結果、精巣上体近位部(頭部)精子は抗体陰性、精巣上体遠位部(尾部)精子のうち約60%の精子鞭毛表面に抗体陽性反応を認めた。(2)薬物の注入:ゴルジ装置の可逆的阻害剤であるBrefeldin Aを成熟動物の精細管内に濃度を変えて注入した。現在、経時的に採取した試料の電顕観察を行い、その影響を調べている。(3)遺伝子DNAの導入:若齢動物の精細管および精巣上体管にDNA-カチオン性脂質結合液(pCMV-beta-galプラスミドDNA)を注入した。注入3日後に精巣および精巣上体のX-gal染色を行い、精細胞や周囲体細胞への遺伝子導入の有無を調べた。現在のところ、陽性所見は得られていない。 来年度は、今年度に蓄積されたデータの解析と追加実験を行う。
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