研究課題/領域番号 |
10877020
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究分担者 |
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
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キーワード | argininosuccinate synthetase / Urea cycle / channeling / citrullinemia / yeast two hybrid |
研究概要 |
尿素サイクル酵素の組織化(channeling)に関与する肝臓特異的蛋白質を発見することを目的に、argininosuccinate synthetase(ASS)と相互作用する蛋白質を検討した。 1) Yeast two hybrid systemによる解析では、ASS cDNAをGAL4-DNA結合領域に挿入した遺伝子を構築し、argininosuccinate lyase(ASL)をGAL4転写活性化領域との融合遺伝子として作成し、両者を酵母細胞に導入した。しかし、β-galactosidase活性は検出されず、ASSがASLと相互作用を示す結果は得られなかった。 2) ASSとASLを各々大腸菌発現系で大量合成し、精製した後、生体分子間相互作用測定装置を用いて解析を行った。精製ASSを固定化し、精製ASLとの反応性を検討したが、1)と同様に、両蛋白質間での相互作用は見られなかった。しかし、マウスの肝臓の細胞分画を行い、固定化ASSに反応させたところ、他の画分よりもミトコンドリア画分と相互作用する可能性を示唆する結果が得られた。 一方、成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)は、ASS遺伝子には異常を認めないが、肝臓特異的ASS蛋白の低下を引き起こす疾患である。中請者らは、極最近、homozygosity mappingとpositional cloningにより、CTLN2の責任遺伝子である新規遺伝子SLC25A13の同定に成功した(Kobayashi et al.Nature Genetics投稿中)。この遺伝子産物(citrinと命名)は、そのアミノ酸配列から、mitochondrial solute carrierとして機能することが考えられるので、今後ASSとの相互作用を解析し、本研究の目的である尿素サイクル酵素のchanclingに関与する蛋白質がどうかの可能性を検討する予定である。
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