研究課題/領域番号 |
10877030
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
八木橋 操六 弘前大学, 医学部, 教授 (40111231)
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研究分担者 |
山岸 晋一朗 弘前大学, 医学部, 助手 (80301026)
八木橋 法登 弘前大学, 医学部, 助手 (10250622)
黒滝 日出一 弘前大学, 医学部, 講師 (40215108)
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キーワード | AGE / 細胞傷害 / 老化 / 糖尿病 / 合併症 / 神経変性 / アポトーシス |
研究概要 |
今年度の計画として、後期糖化生成物(AGE;advanced glycation end-products)の各種疾患、および各組織病変での発現、沈着を検討した。検索疾患は糖尿病での大動脈、腎臓、末梢神経、腎臓などをまず検索した。今後、対象疾患としてアルツハイマー病の脳、筋萎縮性側索硬化症脊髄、慢性関節リウマチの関節組織、慢性腎不全の手根管、さらには老化と関連する心臓、肺、消化管神経組織など広汎に検討する予定である。現在までの検討では、AGEの組織上の検出には特異的抗体を用いた免疫組織染色を行っているが、再現性ある染色結果を得ることは困難である。各組織により、トリプシン処理、オートクレープ処理や電子レンジでの処理など試み、糖尿病腎、末梢神経、血管、膵臓などでピラリン、carboxymethyllysineなどの検出に成功している。これらは自家蛍光をを有するAGEと自家蛍光を持たないAGEに分けられるが、共焦点レーザー顕微鏡に特殊フィルターを用いた自家蛍光検出で一部AGEを確認できている。これらの結果は、組織抽出物から同定できるAGEと確認する必要があることから、一部は組織ホモジネートを用いた加水分解組織において自家蛍光の検出を試みている。今後、各種疾患組織でのAGE分布が予想以上に高くみられることになる。 一方。AGE受容体分布の検討は今年度はAGE注射ラットモデルでの肝臓での分布を捉えるよう試みている。ウシ血清アルブミンとブドウ糖との混合で得られたAGEをラット腹腔内および血中に注射し、その後外来性AGEがいかなる分布を示すかをみた。免疫組織化学法ではラットクッパー細胞での分布をみた。今後、これらの動態について経時的にみる予定である。また、オリゴプローブを用いたAGE受容体mRNA分布についても今後の予定である。
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