研究課題/領域番号 |
10877042
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
川井 信 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90065574)
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研究分担者 |
杉山 博子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10171191)
岡田 忠 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40128731)
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キーワード | ヒト / マスト細胞 / 結合織型 / 粘膜型 / モノクローナル抗体 / FACS / パンニング法 |
研究概要 |
1.ヒトマスト細胞の表面抗原に対する本抗体(5C12)を用いて、ヒト、サル、イヌ、ウサギ、ラット、マウス等の諸動物の各組織を免疫組織染色したところ、ヒト、サル、イヌにおいてはいずれも皮膚、肺の結合組織のマスト細胞が強く染色され、粘膜内のマスト細胞は薄く染色された。これらの結果は、動物のマスト細胞においてなされている2大別の分類(粘膜型、結合組織型)が、ヒトにおける分類(現行TC型、T型)にも適用されるべきではないかとの、我々の仮説に適合している。 また本抗体を用いて、ヒト皮膚の垂直断片の切片を染色したところ、表皮近辺の浅部の真皮(乳頭層)に存在するマスト細胞と、脂肪組織近辺の深部の真皮(網状層)に存在するマスト細胞との間に、大きさの大小が有意にあった(浅部マスト細胞の平均面積=51.2μm^2、深部マスト細胞94.8μm^2)。この2倍にわたる面積の違いが、皮膚型マスト細胞の分裂と成熟をあらわしているのか、それとも質的に異なる、2種類のマスト細胞なのかは、今後の課題である。この点に関しては、現在まれに観察されるマスト細胞の分裂像の存在位置が、皮膚組織中の限定された局所にあるか否かとの観点からも、解析中である。 2.抗原遺伝子の同定に関しては、共同研究者の((株))医学生物学生物学研究所に、培養マスト細胞のmRNAと本濃縮抗体とを提供し現在パンニング法で発現遺伝子を濃縮中である。この遺伝子が単離されれば、各マスト細胞の本抗原に関する違いが、この遺伝子の質的な違いによるのか、それとも発現タンパク量の量的な違いによるのかを明らかにすることが出来る。
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