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1999 年度 実績報告書

環境汚染物質の遺伝子モニタリング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10877065
研究機関尚絅女学院短期大学

研究代表者

山本 玲子  尚絅女学院短期大学, 生活科学科, 教授 (70108504)

キーワード環境汚染 / 遺伝子モニタリング / 遺伝的感受性者 / 酵母 / カドミウム / 微量金属 / 遺伝子導入法 / 内分泌撹乱物質
研究概要

環境汚染物質に対するより広範な高危険群(遺伝的感受性者群)の掘り起こしに、遺伝子モニタリングの使用を目指した。
前年度、人への有害金属として、イタイイタイ病原因物質および内分泌撹乱物質とみなされているカドミウム(以下Cd)をモデル物質として取り上げ、Cd耐性を与える遺伝子(導入した既知の遺伝子ライブラリー由来)を保有する酵母数株を得た。
本年度の目標は、1)引続き、酵母選択条件の検討と導入遺伝子由来耐性を保有するCd耐性酵母株の検索をする。2)更に、Cd以外の各種環境汚染金属物質に対し共通の耐性遺伝子を持つ可能性のあるCd耐性酵母を選択する事とし、検討を行った。
使用酵母は対照酵母:W303B株(MATα his3 can1-100 age1 Leu2 try1 ura3)にベクター(プラスミドYEp13;ロイシン合成遺伝子を含む)のみを導入した酵母。ロイシンを含まないSDM培地中で成育可能、実験酵母:酵母DNAライブラリー導入、導入遺伝子によるCd耐性獲得験酵母:SDM(-Leu),CdCl_230μM寒天培地で得られ、レプリカ法により確認された実験酵母。
実験結果
1)対照酵母のCd以外の金属に対する感受性の確認:通常生育できない濃度は水銀(HgCl_2)130μM、スズ(SnCl_2・2H_2O)20mM、セレン(Na_2SeO_3)2.5mM、銅(CuCl_2)13mM、亜鉛(ZnCl_2)10mM、砒素(Na_2AsO_2)0.5mMであった。
2)高度Cd耐性酵母株の検索:Cd耐性酵母について、SDM(-Leu)寒天培地で、0,20,25,30,40,60,70,80,90,100,120,150,200,250μMCdCl_2に対するコロニーの成育状況をみた。段階的に濃度を上昇させて、繰り返し選別実験を行った結果、200μMCdCl_2に対する耐性株を得た。
3)高度Cd耐性酵母株の交叉耐性:得られた200μMCdCl_2耐性株の他の金属への感受性を見た。水銀(HgCl_2)500μM、スズ(SnCl_2・2H_2O)20mM、セレン(Na_2SeO_3)2.5mM、銅(CuCl_2)13mM、亜鉛(ZnCl_2)9mM、砒素(Na_2AsO_2)2mMであった。
以上から、今回得たCd耐性株には、水銀及び砒素に対する耐性も同時に獲得し、亜鉛にはむしろ感受性を高め、セレン、銅については耐性を示さない機構がある事が推察された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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