平成10年度の研究計画は、中津川市の保健医療福祉に関する広範な情報資料の収集であり、関係各部署より必要資料(患者調査や国勢調査など全国調査結果報告書、岐阜県衛生年報、岐阜県恵那保健所年報、中津川市民病院報告、中津川市保健センター年報、中津川市高齢者保健福祉計画、中津川消防署出動記録、中津川市民病院休日時間外診療統計、国民健康保険レセプト記録、訪問看護に関する統計資料等)を収集した。収集したデータを大型計算機上で解析するためのデータベース化は、既に大半は終了した。 さらに並行して、本研究を行なう上で基礎となる中津川市の人口及び人口動態について、その経年変化と現状の解析を進めた。既に解析を進めた項目は、人口構成、出生数及び出生率、死産及び周産期死亡数・率、乳児死亡数・率、粗死亡率、脳血管疾患・悪性新生物・心疾患などの死亡構造の変化、部位別悪性新生物死亡数率、疾患別の標準化死亡比(SMR)である。これらの項目について、中津川市と東濃地域の他市町村、岐阜県、全国とを比較し、中津川市の人口及び人口動態の特徴を以下の如く把握した。 1.65歳以上の老年人口割合が昭和60年の12.3%から平成6年には17.0%と増加しており、全国平均を上回っている。2.粗死亡率(人口1000対)は、高齢化の影響をうけ昭和50年の7.0から平成6年7.6と岐阜県、全国平均に比して高いレベルを推移している。3.全死亡のSMR(平成3年全国の死亡を100)は、近隣の市と比べ107.0と高値である。死因別では悪性新生物(80.7)、心疾患(82.9)、脳血管疾患(78.6)は低く、老衰(141.7)が高い。これは岐阜県全体の傾向である。 次年度は、計画に沿い、保健医療福祉サービスの変化、保健行動の変化の動向を把握し、将来需要を予測する。
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