本研究はグルココルチコイド受容体をモデルに用いて、転写因子のドメイン特異的機能を時間特異的に、しかも低分子量の薬剤を用いて発現させる方法論を樹立し、最終的に転写因子の機能制御を標的とした炎症性疾患の新たな治療法を確立することを目的としている。 かかる目的を達成するにあたり、グルココルチコイド受容体の各ドメインの機能を詳細に究明する必要がある。平成10年度は、とくに、DNA結合ドメイン、リガンド結合ドメインの機能解析が進展し、リガンド結合、核移行、転写共役因子との相互作用に重要なドメインを同定できた。また、これらの成果を得る過程で構築したプラスミドは二量体形成実験にそのまま使用可能であり、次年度への展望が開けた。
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